BLOG

2021/05/01 22:57

本日は、標識パドルという商品ができるまでの制作の様子を一部公開したいと思います。この作品は2016年に発表しました。標識が曲がると同時に、文字も変化してしまうという、ダブルの変化がビジュアルで楽しいマジックです。まだ現象をご覧になっていない方は、以下の動画をご覧いただければと思います。




それでは、どうやって作っているのか見ていきましょう♪

画像1

まず、標識がたくさん印刷されたプラスチック板を切ります。実はこれ、元は下敷きで、オリジナル下敷き等の印刷を手がける笠間製本印刷(かさまーと)様に依頼しました。カットの工数を減らせるようにデザインしたらこのようなりました。このデザインを入稿した時、きっと、何だこれは!?と思われたことでしょう(笑)

画像2
これをカッターで綺麗にカットしたら、今度は角を落とします。プラスチックがやや分厚いので、大きめの角丸パンチを使用し、パチンパチンと1箇所ずつ落としていきます。標識の形に合うように、専用のガイドを作成し、取り付けています。

画像3
次に、標識の軸となるプラスチックを加工します。丸棒は、プラモデルでお馴染みのタミヤ製のものを使用しています。これをノコギリ等で規定の長さに切断したあと、縁を丸くするために両端を、数段階の荒さのヤスリとサンドペーパーで処理します。ぐりぐりと軸を回転させる作業が地味に大変で指が疲れます・・・

画像4次に、先ほどの軸を曲げます。軸曲げには、木製の治具とヒートガンを使用し、一定の角度に曲げます。ヒートガンの当て方(温度)と曲げるタイミングを間違えると綺麗に曲がらないので、最初は何個も失敗し、泣く泣く捨てていました。(やすりがけの苦労が・・・)でも今では上達し、ほぼ失敗することは無くなりました。

このあと、先程角を落とした標識のパネルを加工していきます。地味にここが一番繊細で大変なのですが、タネの部分が含まれるため、紹介は割愛させて頂きます。制作したパネルと軸を組み合わせて、ギミックの動作確認を行い問題がなければ、完成です。

パッケージの工夫について

実はこの作品、パッケージにもアイディアを加えています。画像5

まず、表紙に描かれた丸い箇所を・・・

画像6

穴あけポンチとハンマーを使用してくり抜きます

画像7

その穴に、内側から付属の吸盤を通し・・・

画像8

吸盤の横穴に、標識の軸を通したら完成です!商品に付属する吸盤の穴を有効活用したパッケージにしました。テープや糊を使わないため、ビジュアルも損なわれません。

おわりに・・・

以上、今回は標識パドルの制作の様子の一部を公開しました。マジックに限ったことではありませんが、たとえ良いタネやアイディアを思いついたとしても、それを商品として販売するとなった時には、工数を減らすためのデザインの工夫や、治具の作成など、制作面でもアイディアを出さなければいけません。ここを怠ると、品質がブレたり、後々苦労するとことになります。 過去の苦い経験・・・^^;

次回は、別の商品についても制作の様子をアップしていきたいと思います。あ、まだ持っていない方は、ぜひお買い求めくださいね!(笑)